美容師の技術以外の差別化

美容師あれこれ
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以前の記事でも書かせてもらったように、技術以外の部分での差別化ということで、

僕が実際にどこを気にしているかを書かせていただきます。

まず大前提として当たり前ですが、お客様の性格は十人十色で様々です。

求めるものも違いますし、されて嬉しいことも嫌なことも人それぞれです。

なので、ある程度万人が共通して受け答えできる接客が好ましいと僕は思っています。

まず今日はどんな髪型にしたいのか、色にしたいのか等カウンセリングをすると思うのですが、開口一番「今日はどうしますか?」というカウンセリング、、、、

確かにざっくりとでも切りたい長さ等はメインディッシュのテーマですが、この質問をして、わかりました、はい出来上がりでは差別化は図れないと考えています。

僕が心がけているのはまず、「失礼します、骨格と髪質をみさせて頂きますね」という入口から触診をして、感じたことをお客様に話してから希望を聞いて意見交換を進めていきます。

僕たち美容師がお客様から何に対してお金を頂いているのかという所を深堀りしないといけません。

それを単にお客様の要望に添って言われた通りに施術すること、つまり「切ること」と捉えるか、プロとしてお客様の素材を見て「デザインを提供すること」と捉えるかです。

僕は後者でありたいと考えています。

この捉え方の違いだけで入口のカウンセリングから最後までお客様との接し方や信頼が大きく変わってくると僕は思いますし、そう信じてお客様と接しています。

シャンプー中も「力加減大丈夫ですか?」ではなく「もう少し力加減強い方が良いですか?弱い方が良いですか?」という聞き方をします。

お客様の中には心では思っていても口に出せない人やわざわざ言わない方もいます。なのでシャンプーに関しては、お客様がなるべく気を遣わずに希望を伝えやすい環境をつくるように意識しています。

その環境が後々前髪を切るタイミング等で希望を抽出しやすくなったりと手助けしてくれることもあります。

本当はもう少し切ってほしくても言えない人が、この人になら言ってみよう、と思ってくれるかもしれません。

本当にまだほんの一部分ではありますが、限られた施術時間の中でこういった技術以外の差別化をちりばめてお客様と接しています。

そして次に大切なのは、そのちりばめた接客から感じたことやお客様の表情などを覚えておくことです。

シャンプーの力加減も「強めのほうがお好きでしたよね?ここしっかり流しておきますね」などなど。

そういった記憶による心遣いが技術以外の差別化を生み出し、「またあの美容院に行こう」という信頼感に繋がると僕は信じています。

それとは逆に、しっかり覚えていなければ技術以外の差別化がお節介や不信感に変わってしまいます。。。

僕は日々仕事をしていてむしろこういった差別化の部分がもしかしたら技術より大事なんじゃないかと思う時すらあります。

僕はもっとたくさんのお客様に触れてこの差別化の感覚を研ぎ澄まし、僕に仕事で関わる人にこの技術以外の部分の大切さと感覚を伝えて、いずれは1人でも多くのお客様を満足させられる場所やチームを作れたらなと思ってます。